『慟哭は時を超えて』 団員の感想

公演直後の団員達の生の声をお届けします!

 
今回は夏休と祝日と週休を繋げて札幌に滞在出来たから、3日間の公演全て受付三昧が出来た。
そしてはじめてわかったこと。
お客様の期待や、あるいは、どんなものかなという思い、応援しているよという思い、そういうお客様の思いはまず受付で感じとることが出来る。
そして見終わったお一人おひとりが芝居を見て感じたものを全身に満たして、 あるいは溢れさせて芝居の空間から現実の世界に出てくる“その時”を受付は見るのだと。
そしてお客様の様子にその時の芝居がどうだったかを知ることが出来る。

受付は、預かりチケットを渡し、正しくチケットを切り、混乱なく会場へ案内するという地味な仕事ではあるけれど、お客様を迎えた時から、やり直しのきかない本番の表舞台の仕事なんだと今回初めて思った。

この芝居では、たくさんの“職人”を見た。もとより職人気質の私だが、まず受付職人になるぞ! と思ったのだった。

桜庭ひなこ(制作・受付担当)

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演技の善し悪しはともかく、語り部や何役もこなした事、星野さんとの共演は、貴重な経験ができた公演だった。
公演のビデオを観て、あらためて随分と難しい芝居だったと思った。
次の公演は、10年前の初舞台の小屋「やまびこ座」。来年のことは判らないが、精一杯舞台で芝居を楽しみたい!

橋場 輝(役者・語り部)

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今回の公演もいろいろありました。
ふりかえると、無我夢中というか、いっぱいいっぱいになってしまい、視野がせまくなっちゃうこともしばしばあった。う〜これは反省!
6月の『遊戯病棟』の反省を活かしてやる!って望んだ公演。
果たして、私自身としては活かせたのか?今考えてもちょっと疑問、だったりする。

でもね、「がんばって、よかった」と素直に認められる自分がいるの。これは嬉しいこと。
今までは、あまり認められなかった。自分がやってきたこと。成長。やってきた意味。自分の想い。何もかも。
だから、人から認められても「いや、違う」って、どこかで思ってた。これって、今思うとツライこと。

夏期間の忙しい仕事の合間をぬって、精一杯やろうとしたこと。
仕事のことで、泣きたいときもあるくらいストレスで脳みそ壊れそうになっていたけど (今だから話せる話…)稽古場では、笑顔でいよう!としたこと。
苦しかったけど楽しくもあり、とても充実した時間だった。
もちろん、失敗もたくさんあるけど、そこは総括しつつ、良いとこは次回にも活かすぞ!と思うのです。

紫竹真由(制作・メディア担当)

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楽しかったです!!
今回、初めて“音響と照明が絡む”の意味がわかったのです。
それまでは、ラストのQがどうしても分からなくて「呼び込みQだよ」とか「丁寧に盗め」とか「音をよく聞いて」とか…たくさんアドバイスをもらいました。
言葉は分かっても、どうやったらそんな明かりが出せるのか分からなくて、とってもとっても悔しかったです。

でも、いつもみんなが言う「お客さんの目線で」という言葉を思い出して、はたと気付きました。
“お客さんは舞台の中の役者を観ているし、音を聞いているんだ…”と。
久成役の星野さんは「どんな明かりでも合わせる」と言ってくれました。
音響の伽羅も「大丈夫。合わせるから」と言ってくれました。
そーだ。みんなを信じて思い切りやってみよう!と思いました。
千秋楽は、みんなのものすごい気迫が感じられて「この舞台、私の自信の無さで壊したくない!」と思いました。

いよいよラスト。ナナちゃんのセリフが終わった。
今だぁ!とフェーダァーをゆっくり上げました。
音もアップして、久成も出てきました。
「ぅわぁぁ〜!」と叫びたいのを落ち着けて、次は久成を振り向かせるQ。
いつもよりよく音が聞こえるし、久成の目の動きもよく見えました。
最後の最後まで緊張はピークで、暗転にした時はアゴが痛いほど歯をくいしばっていました。
カーテンコールの明かりを上げたら、みんなの笑ってる顔が見えました。
お客さんからのたくさんの拍手も聞こえました。
よかった。恐かったけど、みんなと一緒にお芝居をつくることができて!
伽羅と言ってた「ぐるんぐるん絡まる」ことも体験できました。
私、頑張った!

次回公演も照明がやりたいです。
もっともっと絡まりたいです。

霜月あすか(技術・照明担当)

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最初は、初の歴史ものにドキドキ。でした。
明治を生きる村橋の想いに共感。現代にも存分に通ずるものがあるなあ、というのが初見の感想でした。
おわってみての感想は、語り部という役は何度やっても難しいなと。
自分一人ではなく、全員の調和が取れないとなし崩しになってしまうから、周りが今どう演じているのか集中しなければならないし。
本当は語り部全員でもっともっと追求したかった、と言うのが正直なところです。

でもこの芝居を追及していくうちに、村橋の生き様にどんどん引き込まれていく自分がいました。
私も彼のように生きてみたいなと思いました。

こういう形で村橋に出会えて、彼の自分を曲げない生き方について考えることが出来て、本当に良かったと感じています。

山北エリカ(役者・語り部)

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まだお客様から感想のメール・ファクスを頂ける状態に感激です。
私達にしては長期間準備してきた舞台のためか、素晴らしいスタッフとキャストに囲まれて何度かのアクシデントにみまわれながらも、幸せな時を過ごしてきました。
ずっと舞台化したかった脚本・配役を実現化できたのは周囲の支えがあったからです。
そして、それが沢山の良い評価を頂ける。こんな嬉しいことはありません。
この脚本がボツになった昨年からずっと思い詰めてきたこと。自信は無くとも周りは信じられた。そして、信じてきて本当に良かった。
多くの方が望んで下さったとおり、必ず再演したい一揆代表作の一つと考えております。

この熱い思い覚めやらぬまま次の公演に向かわねばならないのは、けっこうしんどいのですが、それでも稽古が始まったら切り替えてしまうんだろうな、私は。
今は忙しい合間を縫って、アンケートにもあった新しい歴史物≠フ脚本にとりかかろうと思っています。
また、ぜひ観にいらして下さいませ。心からお待ちしています。

橋田志乃舞(演出・団長)

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とても濃ゆい2ヶ月間でした。
観客の皆様に「村橋久成」の生き方を感じてもらうことができたでしょうか。
2ヶ月前にキャストが決まったときの「今の自分に、彼の生き方を表現する力があるのか」という不安、焦りと、と同時に湧き上がった『やってやるさ』という情熱のようなものを思い出しながら、充実した公演を終えることができたと、しみじみ感じています。
当初こそ戸惑いはあったものの、最終的には、ほぼ団員のように互いに話をしながら一緒に舞台を創ることができ、キャストだけでなくスタッフ含む団員のみんな+お手伝いさんに“感謝”します。自分星野のあらたなモノもミえたりした楽しい2ヶ月でした。
星野晃之ではない、「村橋久成」を僕自身も感じ、そして皆様に感じてもらうことができたなら幸いです。ご観劇ありがとうございました。

星野晃之〈劇団新劇場〉(役者・村橋久成役)

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