芝居『初恋』エピソードシリーズ2
2003.4.30●山北エリカ(左'97・右'98の公演写真。「みよちゃん」役)
『舞台上で女優として踊ること』
中学、高校時代に部活動でずっと芝居をやっていた私は、
短大でなぜか僻地に引っ越しし、
約半年間、学校と寮の往復をしていた。
とてもつまらなかった。
夏休みで札幌に帰ってきた時に、しのぶさんと連絡を取ってみたら、
なんと一揆で芝居をやるというではないか。
「なんか、やってみよう。」
そう思って、「受付とか、手伝いますよ。」と言ってみたら、
次の稽古日を教えてくれた。
久しぶりに芝居に関われる。
たとえ、雑務でも嬉しかった。
わくわくして行ってみると、その日はオーディションの日だった。
「私は何をすればいいんだろう?」と思って、
ドキドキしていると、
名前を呼ばれた。
声のする方へ行ってみると……。
そこはオーディション真っ只中!
「え、私もオーディション受けるんですか?」
戸惑う私にしのぶさんは、
「うちの劇団で手伝うということは、
そういうことなんだよ。」
(あとで気付いたことだけど、一揆では、お手伝いでさえも、
持ってる能力を最大限に生かすということが、大事らしい。)
そんなこんなで、私は、
「みよちゃん」という大役を仰せつかった。
自分の感情がうまく振りにのせられず悩んだ。
自分の演じている
「みよちゃん」の気持ちさえ分からなかった。
本番はがたがただった。
あのときから、
「舞台上で女優として踊る」ということについて、考えることになった。
ちょっぴりわかりかけてきた今。
是非、もう一度あの時と同じ役でどこまでできるか。
自分に挑戦してみたい。