北都商店街夏祭り盆踊り大会に参加

こんにちは、結実です。

劇団一揆が、白石区北郷に稽古場を構えて早10年。
はじめは「『劇団』ってなんだろう?」と首を傾げられることもあった私達。
4年前から地域の夏祭りに呼んでいただき、舞台を努めさせてもらうことができるようになりました。
そのなかで、少しずつ地域の方との距離が縮まってきました。
去年からは、出し物だけではなく、嬉しい事に、出店の人員として参加しないか、と声をかけてもらいました。
「一揆は若い人たちが中心になって活動しているから、一揆が出てくれるだけで嬉しい」
少しでもそのご期待に応えるべく、「今年はみんなで参加しよう!」と団内に声をかけ、過去最大の7名でお祭りに参加してきました。
当日は遠方団員のくまさんや、団員の友達も集合!


●出店でワイワイ●


朝、9時に集まった私たち。
とうきび(北海道では「とうもろこし」を「とうきび」と呼びます)、イカ焼き、ジュースにビール!
みんなでお手製のはっぴを来て、売り場に散りました。

とうきびの露店には、積み上がったとうきび1000本が待っていた……
その量に圧倒されつつも、まずは一本ずつ皮むき。
驚いている場合ではありません!
参加を待っていてくれた商店街の人のためにも、美味しいとうきびを待っていてくれるお客さんのためにも、手を休めることはできません!
「これを売り切らなくては!」
使命感に燃える団員。

その頃、イカ焼きの露店では、やはり大量のイカをさばく団員の姿がありました。
ひたすら、冷凍イカの内部から氷を掻き出す!
「手が、イカの匂い……」と呟きながらも、やはりみんなの笑顔のために、黙々とイカと格闘。
稽古で鍛えた根性を見せることができたかな?

またまた同時進行のジュース売り場では……
早々と2Lペットボトルを氷水に沈めて冷やし、コップに氷をセッティング。
さぁ、準備完了!
重たいペットボトルを片手であやつり、ついでついでつぎまくる!
(翌日、二の腕&手首が筋肉痛になったヤワな団員もいたようですが)
暑い中、火を使わないこの露店は快適空間だったとか。


●お祭りは地域活性の場●

黙々ととうきびの皮むき中、突然「協力おねがいしまーす!」と、かわいらしい声が。
振り返ると、数人の大学生が画用紙を持って立っていました。
「地域フリーペーパーを作ってます。この町の好きな所を画用紙に書いて、その紙を持った写真を撮らせて下さい!」
若い人たちが、地域の活性化のために頑張っている!
素敵な活動に協力したい!
が、しかし、舞台に上がる割には、普段は恥ずかしがり屋の多い我が劇団。
「…けいすけ、やりなよ」
「…ゆうみさんこそ…」
「新人でしょ?」
「先輩でしょ?」
「……むむむむっ!」
…快諾できなくてごめんなさい!
そこへブラリと現れたのは、稽古場の斜め向かいのビルのオーナーさん。
「『劇団一揆』って書け」
突然のことに動揺しながらも画用紙に言われたままに書いて渡すと、
「この町の好きなところは、『お前らの存在』だ!」と、画用紙を掲げてカメラにピース!
オーナーさんの心遣いに……感動!
さらに、売り方の要領を得ない私たちに、とうきび売りの極意を伝授してくれたオーナーさん。
舞台の出番をこなし、熱唱した後で、シフト交代で売り場にやってきたマダム。
黙ってこつこつ、とうきびを茹で続けていたお兄ちゃん。
姿が見えないと思ったら、追加されたとうきびの皮を一人でむいてたおじいちゃん。
人手が足りないことに気がついて黙って手伝いに入る、おばちゃん。
…この町には、こんな人達が暮らしていたのだと、知りませんでした。
お互いに、「こんにちは、よろしく」と言いながら、その時間、力を合わせてお祭りを盛り上げる。
こんなたくさんの人たちが、この地域で生きて、この地域を支えて、この地域を守っている!
自分たちにできることをやり尽くしたい。この人たちの、仲間になりたい!
そんなことを思いながら、いよいよ、一揆の出番……


●雨にも負けず!●

踊りの出番。
任せていただいた、祭りのトリの舞台!
一度稽古場に戻り、衣装に着替え、メイクを整え、気合いを入れて外に出れば……
豪雨!
まさに、一揆を待っていたかのような絶妙なタイミングで叩きつける、大粒の雨。
もしかして……中止?
出店に囲まれた広場の客席からは、お客さんが続々と出店テントへ避難。
不安な思いでステージ横で待つ団員たち。
しかし、私たちの心配は杞憂に終わりました。
雨に当たりながら、それでも、ステージは進行し続け、出店は販売を停止せず、そしてお客さんたちもテントからステージを応援してくれている。
北都祭りに携わる人たちの、情熱と根性を見せてもらいました。
今度は私たちが、踊りでそれに、答える番。
曇天のもと、出し物『想』の音楽が響き出す。
雨粒に負けずに目を開き、滑りやすい地に足を踏ん張る。
決して、良い条件ではないけれど、雨宿りしているテントから、こちらを一生懸命見てくれている人たちの視線。
お祭りを成功させるために、だけではない。
故郷を大切に思い、人と人がつながるために、雨にも負けず、ここに居続け、見守ってくれる人たちがいる。
その思いに答えるために、その思いとひとつになるために、雨降らす天に向かって腕を伸ばす。
その腕の先に、雲の向こうの太陽が見えるように……




私達を温かく見守ってくれた商店街や地域の方々が、
「一揆がいて良かった」
と思えるように、私たちの踊りで祭りを盛り上げたい!
そしてこの北都地域で活動する身として、一緒に地域を盛り上げたい!

お祭りに参加できることを知った時に思ったこと。
私たちはこれからも、この初心を胸に、地域に根づいた劇団として、たくさんの人たちとつながっていきます。

ありがとうございました!
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