第二回 稽古場公演

Junction 〜この道の果て〜

第16作 作/橋田志乃舞

2001年11月23日(金)〜25日(日)
劇団一揆稽古場(白石区北郷3条12丁目)

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏の暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテイル

サウイウモノニ
ワタシハナリタイ

宮澤賢治

あらすじ

私は何のために生きているんだろう?
−自律神経失調症に悩む娘はホームステイしながら農業を体験できると聞いて北海道へ旅立つ。
そんな時、アメリカにテロ勃発という大変な事件が起こっていた。
一人の人間が必死に自分探しをしているとき、国家の裏側では着々と陰謀がうごめく。
人々には何も知らされずただ巻き込まれていく道しか残されていないのか。
人類の迷宮とされている問題に挑みます。
(登場人物や団体は全てフィクションです。)

ごあいさつ

「暴力の中で育った子どもは、戦争がある世の中を当たり前と考える」−。
アフガニスタンで空爆を受けた子供たちへの支援を呼びかけるユニセフがパンフレットに載せた一節です。
感動したのは、ここでいう“暴力”の意味。
それは暴力行為だけでなく、戦争はもとより、食料がない状態、眠る家がない状態、そして学ぶ場所がない状態。つまり、非人間的な生活すべてをさしていたのです。
そう言われると、“人間らしい生活”とは何か、私たちの周囲に人間らしい空間は本当にあるのかと考えてしまいます。

「私は誰の役にも立っていない、誰にも必要とされていない」と悩む劇団員達とよくよく話してみれば、非人間的な社会や人間関係に適応できないことで自分の無能さを責めていることが多く、それは人間である以上当然のことなのに、自分が悪いと思いこんでしまうのです。
一体、誰がそう思わせたのか考えずにはおれません。

周囲に適応しない奴はダメ人間だと個性を否定することも暴力で、その中で育った私たちもまた、他人のあらゆる生き方を心から認めることや受け入れることができない暴力的な人間に育ち、知らぬ間に人間的な感情を忘れ去っていくのではと思うと、背筋に冷たいものが走るのです。
こうして人は、他国の人を人とも思わずを仕掛けていくことができるのかもしれないと。

ただ人間はそれでも発展する生き物です。
何が分岐点となって同じ人間なのだと世界中の人が分かり合えるときが来るのか、この機にじっくり皆様と考えたいと思い、難しいと思いましたがこの舞台を創りました。

“これだ”とセリフで提示することが一切ない舞台ですが皆さまのジャンクション(分岐点)となることを心から願いつつ幕を上げます。
本日は遠方よりお越しくださり本当にありがとうございました。

劇団一揆代表 橋田志乃舞

キャスト&スタッフ

●キャスト

梨菜/紺屋友里
孝司/野村昌弘
早苗/如月未歩
久美子/山北エリカ
八重子/杉本響
母/橋田志乃舞
真澄/笹山朱里
くるみ/椎名結実
少年孝司/橋本真美
男1/サトウキイチ
男2/橋場輝
男3/田中章寛
男4/MaSa
男5/星野晃之(劇団新劇場)

●スタッフ

演出/橋田志乃舞、サトウキイチ
舞台監督/山北エリカ、杉本響、蛭田美幸
舞台装置/MaSa、熊一徹
音響効果/如月未歩、三上文孝
照明/橋本真美
衣裳メイク/しょうこ、笹山朱里
小道具/紺屋友里、椎名結実
制作/野村昌弘、橋本真美、如月未歩、しょうこ、田中章寛、笹山朱里、星原海、橋場輝、N.O.C

●協力

劇団新劇場、福田舞台、ドラマシアターども、斉藤茂吉、劇団一揆FC、劇団べんと箱
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